STRATEGIST
『謀略の紅き詩人』乱世を生き抜く戦略論
毛沢東
MAO
毛沢東
毛沢東/Mao Tse Tung(1893-1976)
中華人民共和国の政治家・軍事戦略家・思想家。
秦の始皇帝以来の悪の英雄、乱世の奸雄。清朝の終焉…革命の勃発…欧米による分割支配…
そして、大小軍閥の割拠する四分五裂状態…
半植民地状態だった乱世の中国の田舎町に生まれ教師となる。第1回中国共産党全国代表大会に参加し、中国共産党に入党。ヒトラー以上の大衆扇動の才能、カリスマ性で、周恩来に変わって最高指導者となり、1949年に中華人民共和国を建国。一介の田舎者から乱世の中国を制し、4億人の頂点に立った"史上最大の成り上がり"を遂げた。最高権力者となった後、『大躍進政策』『文化大革命』の政策による死者は最大1億人とも言われる。
この講座で学べること
今日、日本に最も大きな脅威を与えている国家は、中華人民共和国である。この「帝国」を創建したのが毛沢東である。四分五裂し、植民地化されたチャイナを毛沢東はいかに統一し、外国政略を排除していったのか。秦の始皇帝以来の大独裁者・毛沢東の戦略の本質を学ぶ。それは「弱者が勇敢な強者に勝利する」究極の戦略である。そして現在、中国共産党が採用している「超限戦」戦略も、毛沢東戦略の発展形態である。毛沢東戦略を学ぶことにより、今日のチャイナの国家戦略の全貌が明らかになる。
また、チャイナを統一した毛沢東を中心とするチャイナの現代史が学べる。鄧小平が貧しいチャイナをいかに経済大国に成長させたのか。その戦略も解明する。今日の中国共産党の少数民族(チベット・ウイグルなど)弾圧と対外侵略の方針も毛沢東戦略から発している。この講座を学べば、中国共産党が行なっている現在の軍事と経済の総合戦略の全貌が読み取れるようになるだろう。さらに現在の習近平指導部がどのような行動にでるかも、予測することができるであろう。
3つのポイント
- 1 弱者が強者に勝つ戦略
- 田舎出身の一般市民が、中国共産党の創立党員の1人となり、中華人民共和国を建国するまでに至った…ヒトラー以上の大衆扇動の天才とも言える男の人生自体に学べる戦略である。毛沢東戦略は、群雄割拠の戦国時代的状況、主に自国の内戦で効果を発揮した戦略である。その過程で、いかにして弱者の立場で強者を打ち負かしてきたか?という点が大いに学べる。
- 2 ゲリラ戦
- 弱者が強者に勝つ戦略のうち、代表的なものが「ゲリラ戦」である。ゲリラ戦4則として、 1)敵進めば我引く、2)敵留まれば我乱す、3)敵乱れれば我撃つ、4)敵引けば我進むというような、「強い敵からは逃げ、決戦は避ける」という徹底した原則。短期決戦主義ではなく、長期持久戦主義である 強い敵の疲労と消耗を待ち、一方で大衆向けにプロパガンダ工作を盛んに行なう。
- 3 プロパガンダ-宣伝戦-
- プロパガンダ(情報戦)は実際の戦闘以上に重要である。大衆のルサンチマン(妬み・怨み・利己心・復讐心・不信感などの人間のネガティブな感情 である。)に火をつけ、扇動し、爆発させ、敵を倒せと煽る。これが毛沢東流の大衆動員法である。現代の情報戦を理解するにも十分に通ずる。
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[第1章] 謀略の詩人・毛沢東はどのような人物か?
- 「1億人の同族殺し」なぜ、極悪非道な政治家が死後も崇拝されるのか?
- 「ヒトラー、スターリンも善人?」人類最凶の独裁者の正体
- 「マルクス主義は馬のクソだ」毛沢東が共産主義嫌いだったワケ
- 「歴代皇帝と毛沢東の決定的な違い」革命を正統化した意外な才能
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[第2章(1)] 毛沢東の政治史:盗賊から皇帝へ
- 「盗賊から皇帝へ」成り上がりエリートの出世学
- 「人心を操るカリスマ性」11年で党内トップに立った権力の源泉
- 「明治維新、毛沢東、米ソ冷戦」背後で支援した大国の謀略
- 「偉大なる道・長征の真実」兵力が1/10になった1万kmの敗走劇
- 「失敗から編み出されたゲリラ戦術」圧倒的「弱者」の戦法
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[第2章(2)] 勝利の鉄則:クラウゼヴィッツの神髄
- 「マルクス主義の中国化」中国革命とソ連革命の違い
- 「毛沢東は、マーガリンのようなまがい物」スターリンが言い放ったワケ
- 「なぜ満州国を建てたのか?」日本陸軍が危惧した共産主義の怖さ
- 「我、日本の皇軍に感謝す」毛沢東が日本軍を歓迎したワケ
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[第3章] 毛沢東の三大悪行と後継者問題
- 「15年でイギリスを追い越せ」お粗末な経済政策が生んだ人民の悲劇
- 「紅衛兵が叫んだスローガン」デモ・暴動・破壊を正統化する歪んだ愛国心
- 「部下の忠誠心を試す政治戦術」毛沢東が愛した反対勢力のあぶり方
- 「後継者失脚の謎」毛沢東を暗殺?No.2クーデター計画の真相
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[第4章] 【悪用厳禁】毛沢東の戦略:弱者が強者に勝つ10の戦略
- 「毛沢東・究極の虎の巻」戦略の原点にあった1冊の古典
- 「ゲリラ戦の起源はナポレオン?」スペインで生まれた新戦術
- 「チャイナ式・革命の成功法則」ソ連との決定的な違い
- 「毛沢東戦略を応用したイギリス」20世紀、ロンドン大繁栄のワケ
- 「聖書の次に売れた本」世界No.2の販売数…中国の紅い経典
- 「毛沢東流・大衆動員法」新興宗教やマルチ商法が応用する心理技術
- 「毛沢東と徳川家康」武将に通じる長期戦の闘い方
- 「現代版・孫子の兵法」戦わずして勝つ、実践のコツ
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[第5章] 毛沢東以後のチャイナ戦略
- 「反日教育はいつ始まったのか?」中国共産党が隠したい不都合な真実
- 「米中最終戦争の始まり」欺かれたアメリカとトランプの逆襲
- 「第二の毛沢東になりたい習近平の暴走」カリスマなき独裁者の悲劇
- 「習近平はカリスマなきエセ毛沢東」国内の権力闘争を止められないワケ
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[第6章] 毛沢東戦略の応用
- 「Uberドライバーはゲリラ兵士?」大企業が活用する労働者確保の手法
- 「赤字をあえて増やせ」Amazon・Facebookが実践?最後に逆転する"長征"戦略
- 「毛沢東から読み解く指導者の条件」大きなビジョンの描き方
- 「中国人を欺いたホワイト・プロパガンダ」台湾の大政治家の戦略