STRATEGIST
日本民族独自の戦略哲学
闘戦経
TOSENKYO
闘戦経
現存する最古の、日本独自の兵法書。今から900年ほど前…平安時代末期に成立したとみられ、全53章の漢文からなる。
古代から朝廷の書物を管理し、兵法師範として伝授してきた一族である大江家。その一族の大江匡房が、孫子などの外来の戦略とは一線を画す、日本民族の独自の戦略思想として残したとされているのが本書。日本主義で外来思想に対する徹底した否定。神社・仏閣、天皇制、日本文化、武士道などよりも、より深い古神道の世界まで入り込み、日本民族の宇宙観、自然観、文明論、根本を問い詰める。
『闘戦経』は大江家により代々、表世界に出ることなく一部の武家にのみに秘密裏に伝えられてきた兵法書。900年後、海軍兵学校の蔵書室で発見され復刻を果たした。
この講座から学べること
純粋な「日本民族の本質」がわかる。"武士とは死ぬことと見つけたり"という思想のさらに根底にある原点。戦略よりさらに深い、日本民族の独自の「哲学」「思想」。日本民族の先人たちは、どのようにして強靭な精神を築いたのか…?これを見れば、まだ発揮されてない、あなたの中に眠る日本民族のパワーに目覚め、引き出すことができるでしょう。生き方の軸、生きる指針、民族のルーツとも言えます。あなたの知っている「日本」「日本文化」「日本的」といったイメージにはまだ実はもっと深い、純粋なものがあるかもしれません。これは、外来思想の徹底した批判を含むため、他との調和を乱す可能性があるほどの「日本独自」の思想です。混沌とする世界情勢、社会だからこそ日本人独自の戦い方を取り戻してほしい。最古というだけあり、全て漢文で記され、さらに現代語訳から出されても解読が困難な本書を、ここまでわかりやすく紐解いて理解できるのは日本でも本講座だけでしょう。
3つのポイント
- 1 日本最古の『対チャイナ』戦略書:闘戦経
- 古代から外への侵略をもくろみ、好きあらば自国の直下に世界を組み込もうと考えている大国、それこそが中国。日本はその脅威を一番近くで感じ続けていました。そんな危機感の中、日本で書かれた最古の戦略書は「中国に対してどう対抗するか?どう独立を保つか?」という葛藤の中で誕生しました。
その戦略は世界いわゆる戦略書とは全く異なっています。というのも、世界では最古の「孫子の兵法」を参考にした戦い方が描かれる一方、『闘戦経』ではその内容を「浅い」と一蹴した上で、どうしたらそれを倒せるのか?中国にはない日本の強さとはどこにあるのか?まさに"日本人による日本人のための対チャイナ戦略"が書かれているのです。
中国人とは違う日本人のあり方とは?中国の脅威に対抗していくために取るべき戦略とは?長い歴史の中で編み出された「答え」が見えてくることでしょう。
- 2 日本人が忘れさせられた「戦いの歴史」
- 「現代の歴史では、まるで第二次世界大戦だけが特別で、最初で最後の日本の危機であったかのように語りますがそれは大きな間違い」と藤井先生は話します。
「戦後に昭和天皇がおっしゃられた言葉に"この度の敗戦は白村江の戦いに勝るものであった。"という発言がありますが、過去を見れば、日本は第二次世界大戦で経験した以上の敗戦を経験し、そこから立派に立ち上がってきたということです。」by藤井先生
過去の人々は敗戦という経験をどう乗り越えて発展していったのか?危機に晒された日本人はどうやって戦ってきたのか?教科書では語られることのない、日本と世界の戦いの歴史を知ることで、現代はどうしていけばいいのか?
その答えが、他のどの国でもない"日本の事例"から見えてくるとともに、戦後教育で忘れられてしまった「日本人の戦いのDNA」が蘇ることでしょう。
- 3 武士道、神話を生み出した「縄文の精神」
- 「古くからチャイナ文明を受容してきた日本ですが、平安時代は、縄文時代の人が持っていた感性が弥生、論語、仏教が入ってきた600年間で日本の本来の原点が見えなくなった時でした。そこで、社会が崩壊している時に、もう一度日本の原点を文字の形にしたのが闘戦経」と藤井先生は話します。
日本精神の原点というと、神話、天皇、武士道...現代でよく言われるそういったものを思い浮かべるかもしれませんが、この『闘戦経』はそれより以前の縄文時代まで日本人の根源をさかのぼります。
最古の文明を気づいた日本の精神とは?海外の文化を取り入れながらも、現代日本の形を作り上げてきた中国や西洋など「外来文明を受け入れる前の日本」を知ることで、世界に類を見ない、天皇制を作り上げた根源とは?なぜ日本だけが特別だったのか?その秘密の正体が浮かび上がってくることでしょう...
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[序章]
- 「中国思想vs.縄文思想」孫子・呉子・儒教を否定した日本の戦略書
- 「皇室に残る"敗戦の記憶"」大東亜戦争は初めてじゃない...昭和天皇の発言の真意
- 「平安時代は"平安"ではなかった?」教科書が言わない島国日本の危機と異賊来襲の歴史
- 「朝廷とチャイナ情報機関」危機感は今の数倍?日本を守った貴族エリート"大江家"の功績
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[第1章] 我が武
- 「宇宙の根源"武"とはなにか?」平安時代の貴族が提唱、日本独自のビッグバン理論とは
- 「文武両道はむしろ恥?」武人vs.文人:力の美学で読み解く、日本と中国の違い
- 「闘戦経と神話の共通点」オノコロ島を作った神器・天之瓊矛(あめのぬぼこ)の正体とは
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[第2章] 外来思想の批判、儒道仏、儒教・道教・仏教の批判
- 「悪用厳禁の秘蔵書」チャイナの本質をつきすぎた?闘戦経が900年も眠った理由
- 「大和魂を表す"2文字"」vs.孫子:偽り、騙しの国に負けない日本の武器とは
- 「闘戦経を体現した男」謀略=誠?日本人だけわかる矛盾する言葉の真意とは
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[第3章] 己の徳(特性)に徹せよ
- 「天賦の才とマインドセット」日本人が全員持っている"強み"とその活かし方
- 「大小・逆転の法則」"弱きもの"にのみ与えられた強さの転換点
- 「自然界に隠された"ゲリラ戦"の原則」なぜ少数が多数に勝てるのか?
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[第4章] 死生観
- 「死の中に"生きた"日本人」特攻隊を絶望と恐怖から守った日本哲学
- 「孫子の弱点」"個"では勝てても、国家や組織としては勝てないわけ
- 「吉田松陰・西郷隆盛・李登輝」彼らを偉人たらしめた"ある行動"とは
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[第5章] 小をもって大を制す -奇略は時に正直-
- 「歪められた武士道」ゲリラ戦も肯定?江戸明治に消された、本来の日本の戦い方
- 「教科書が隠した"日本人の偉人800人" 」小国ベトナムが大国アメリカに勝てた本当の理由
- 「できる政治家、できない政治家」能力、資金、人脈でもない...たった一つの成功条件
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[第6章] 現実主義に徹せよ -マキャベリズムの肯定-
- 「マキャベリズムの肯定」旧武士道から消された"リアリズム"の教えとは
- 「危険思想・神秘主義」日本人の解決思考を停止させるあるワードとは
- 「安倍晋三と織田信長の類似点」実力ではない、実績を生んだある条件とは
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[第7章] 実戦の英智
- 「900年前に書かれたコロナ対策」逆行する日本政府が役立たずな訳
- 「現代日本に欠けた"リーダーの必須条件"」なぜ大物政治家が消えていったか?
- 「中国で賄賂が横行する2つの理由」同じにはならぬよう…古代日本が考えた対策とは?
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[終章] 藤井厳喜からのメッセージ